正式名称 | 防災・減災日本CSOネットワーク Japan CSO Coalition for Disaster Risk Reduction (JCC-DRR) |
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代表 | 大橋正明(特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター 顧問) |
事務所所在地 | 〒108-0014 東京都港区芝4-7-1 西山ビル4階 mingle内 特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター(JANIC)内 |
TEL | 03-6435-2945 (担当:堀内) |
運営会員 | |
会員 | 55団体、50音順 (2022年9月12日現在) →会員一覧を見る(団体のみ) |
団体規約 | PDFファイル(671KB) |
設立の経緯
2015年は、「兵庫行動枠組2005-2015」を引き継ぐグローバルな防災枠組の策定、ポストMDGs・持続可能な開発目標(SDGs)の策定、開発資金国際会議、気候変動に関するCOP21の開催など、グローバルな政策が大きく動く年であり、2015年3月に仙台で行われた第3回国連防災世界会議(WCDRR)は、その皮切りとして非常に重要な会議でした。特に災害が多発している昨今、人間の安全保障を語る上で防災・減災のコンセプトは切っても切り離せないほど、重要性を増しています。災害弱者と言われる周縁化された人々のニーズにどう応えていくのか、既存の枠組では対応が難しいとの認識から、兵庫行動枠組の後継枠組である「仙台防災枠組2015-2030」が成果文書として採択されました。
※参考:仙台市 防災環境都市づくり(震災復興メモリアル事業、エネルギー政策を含む) 関連リンク(第3回国連防災世界会議関連)
※参考:仙台行動枠組みってなに?
東日本大震災の教訓をグローバルな防災指針(「仙台防災枠組2015-2030」)に反映させるために、2014年1月に立ち上がった2015防災世界会議日本CSOネットワーク(Japan CSO Coalition for 2015WCDRR – JCC2015)は計104団体が加盟し、日本政府、仙台市、国連国際防災戦略事務局(UNISDR)のOrganizing Partner(公式開催パートナー)として、WCDRRに向けた政策提言活動、メジャー・グループの連携強化、市民防災世界会議の開催、ピープルズ・パビリオン(国連防災世界会議期間中に設営した国際交流テント)の設置、展示ブースへの出展、宮城・福島へのフィールド・エクスチェンジの実施などの企画運営および福島関連課題の発信を主に担いました。
JCC2015は防災分野における海外の主要ネットワークとも覚書を結び、WCDRRに向け国際的な調整機能も担いました。具体的にはGlobal Network of CSOs for Disaster Reduction (GNDR), Asian Disaster Reduction and Response Network (ADRRN), およびHuairou Commissionと相互協力の覚書を調印しました。
日本国内では内閣府防災担当参事官や外務省地球規模課題総括課との定期会合を設け、WCDRRに向けた準備会合に関わる調整、市民社会の参加に関する協議、WCDRRの目的達成のための協働に関する協議を実施。またメディアにも広く取材され、新聞・テレビ・ウェブ・刊行誌など、WCDRRにおける市民の役割について、多岐にわたる発信が行われました。
仙台防災枠組に原発事故などに関連する「人為的災害」が明記されるなど、JCC2015のWCDRRに向けた活動はある一定の成功を収めたと考えますが、同時にさまざまな課題も残りました。JCC2015は期間限定で発足したネットワークのため、当初の予定通り2015年6月に解散総会を開き、解散しました。しかし、JCC2015の残した成果を引き継ぎ、明確化された課題に向け、防災に関する新ネットワークが要請されていることもまた事実です。
今後を見据えた振り返り
JCC2015は事務局内での振り返りの他、広く参加団体に参加を呼びかけた振り返りミーティングを2015年4月27日に行いました。振り返りミーティングではJCC2015として達成したこと、また今後未だに残っている今後の課題などを話し合い、簡潔にまとめると以下の通りです:
【JCC2015として達成したこと】
- 市民防災会議内において、マイノリティのステークホルダーが集まって議論することで、今までは見えてこなかった共通点を発見することができた。
- イベントの企画運営や政策提言において、障がいやジェンダーの分野の議論でもある程度の成果があったと評価できる。
- パートナーの国際ネットワークと良い連携を取ることができ、日本の市民社会と海外の市民社会が歩調を合わせて連携出来た。
- より良い復興や原発問題の発信など、開催国の市民社会としての責任は果たせた。
- 接点がなかった団体が同じ目標を持って活動できた。
- 世界の防災の取組みを知り、様々なことを学べる機会となった。
- 防災分野において、日本政府や国連とのコミュニケーションが円滑に進められた。
- 日本の教訓、特に福島の原発事故の現状や教訓を積極的に海外に発信し、仙台防災枠組に反映させることができた。
【今後の課題】
- 策定された仙台防災枠組の実施に関するモニタリングやフォローアップは必要。例えば国内法にどのように反映されるべきか。実際に防災計画を策定する各自治体や国内NPOとの協働も図るべき。分野は多岐にわたるので、障がい、ジェンダー、環境などで活動するNGOも主体的に関わり、モニタリングと政策提言を繋げるべき。
- 福島の教訓はまだまだ伝えきれていない。多重的なイシューが発生しており、福島の人々を中心にした発信の仕方を考えるべき。また、多彩な災害を扱う仙台防災枠組であるからこそ、福島の原発事故の教訓を世界の原発関連の防災施策に明確に繋げるアドボカシーを継続する必要がある。
- マイノリティの人々を念頭において日本からの教訓を発信することも重要。
- 持続可能な地域づくりや気候変動への適応の観点からも、生態系を生かした防災・減災の重要性をさらに呼びかける必要がある。
- 仙台防災枠組実施において、持続可能な開発目標や開発資金会合などの一連の国際会議の流れとどう連携するのか、また、枠組をどう紐解いて地域の課題と関連付けていくのかが重要。
- JCC2015ほど多様な人達が集えるネットワークは少ないので、「災害に強い社会作り」をテーマとして有機的な活動を継続すべき。また構築された国際ネットワークや国連との関係を引き続き保つことも重要。
JCC2015解散後の活動に関して
上記振り返りミーティングでもJCC2015のようなネットワークの必要性への言及が多く寄せられ、JCC2015解散後、新しいネットワークを立ち上げる必要性が確認できたと考えています。具体的には、「災害に強い社会づくり」などの目的を持ち、引き続き東日本大震災の教訓を世界に伝え、国際的な動きと調和の取れた政策提言や国際会議への参加ができ、仙台防災枠組の実施をモニタリングする市民社会ネットワークとしての確立が望ましいとの声がありました。
JCC2015に参加する104団体には、2015年6月の解散総会時、新ネットワークへの参加表明をして頂きました。新ネットワークはこれらの団体や新たに参加表明があった団体を中心に設立します。新ネットワークの事務局はJCC2015事務局が当座は行いますが、最終的には設立大会で決定し、個別課題(例:福島の教訓を世界に伝えるや各セクターにおける防災の主流化、国際的な政策提言)に関してワーキンググループ(小委員会)を立ち上げる予定です。内閣府と外務省に対しては新ネットワークの立ち上げは既に非公式に伝えており、今後、継続的な意見交換会を開催することで合意しています。
今後の予定
今後の国際会議への関わりも続々と決まっており、現時点では以下の国際会議への出席を予定しています:
時期 | 内容 |
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2015年06月 | Environmental Emergencies Forum(オスロ) |
2015年06月 | Asia Muslim Action Network Assembly(クアラルンプール) |
2015年06月 | ISDR Asia Partnership Meeting(バンコク) |
2015年07月 | GNDR Regional Workshop(バンコク) |
2015年10月 | GNDR Global Summit(場所未定) |
2016年03月 | 仙台防災復興フォーラム(仙台) |
2016年05月 | World Humanitarian Summit(イスタンブール) |
2016年09月 | World Conservation Congress(ハワイ) |