「仙台防災枠組2015-2030」ってなに?

2015年3月14日から18日にかけて、宮城県仙台市で「第3回国連防災世界会議」が開催されました。今後15年間におよぶ国際的な防災枠組を策定することが主な目的です。国連加盟国のうち187カ国の代表を始め、国際機関、研究者、NGOを合わせて本体会議には6,500人以上、一般公開の関連イベントも含めると15万人以上が国内外から参加し、日本で開催された国連会議では過去最大級の規模となりました。

第3回国連防災世界会議の成果文書として採択された「仙台防災枠組2015-2030」では、4つの優先行動とと7つのターゲットが合意されました。

【4つの優先行動】

  1. 災害リスクの理解
  2. 災害リスク管理のための災害リスクガバナンスの強化
  3. レジリエンスのための災害リスク軽減への投資
  4. 効果的な対応のための災害準備の強化と回復・復旧・復興に向けた「より良い復興」

【7つのターゲット】

  1. 2030年までに地球規模での災害死者数を実質的に減らす。2005年から2015年までと比べ、2020年から2030年には10万人当たりの死者の減少を目指す。
  2. 2030年までに地球規模での災害による被害を受ける人々の数を減らす。2005年から2015年までと比べて、2020年から2030年には10万人当たりの被害者数の減少を目指す。
  3. 2030年までに地球規模でのGDP(国内総生産)に関連し、災害を直接の原因とする経済的損失を減らす。
  4. 2030年までに、保健や教育施設など重要なインフラへ損害や基本的サービスの破壊を、レジリエンス(回復力・強靭性)の開発を通じて、実質的に減らす。
  5. 2020年までに国レベルおよび地方自治体レベルにおいて、災害リスク軽減戦略を策定する国を実質的に増やす。
  6. 2030年までに本枠組の実施に向けた国レベルの活動を補完するために、発展途上国への十分で持続可能な支援を通じた国際協力を実質的に強化する。
  7. 2030年までに人々による多様な災害への早期警戒システムと災害リスク情報および評価の入手やアクセスを実質的に増やす。

また、本枠組が取り扱う災害リスクとして、「自然災害、人為的要因による災害、および関連する環境的・技術的・生物学的災害とリスク」が明記され、「関係者の役割」という項目では「市民社会やボランティアを含む社会の構成員すべてが防災に関わることの重要性」についても記載されています。こうした成果文書の内容については、会議の1年以上前から国連国際防災戦略事務局(UNISDR)が開催する政府間準備会合などの場で議論され、NGOや女性グループ、子ども・ユースグループなど、市民社会からの提言や対話を経て準備されてきました。

2015年9月に国連総会で採択された「私たちの世界の変革:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」と並び、2030年までに世界が目指すべき方向を示した文書です。私たち、JCC-DRRは「仙台防災枠組2015-2030」の実施に、市民社会の視点から取り組みます。