ふくしまから世界へ

BookletCover_JPN「ふくしまから世界へ」は、福島第一原子力発電所事故の教訓を市民の目線から世界へ伝えるためのプロジェクトです。
このプロジェクトのひとつのきっかけは、2015年3月に仙台で開催される「第3回国連防災世界会議」です。この会議では世界中の災害や防災の専門家が一同に集い、国を越えた協力体制について話し合います。この会議に東日本大震災を経験した市民の声を反映させ、持続的で災害に強い社会づくりの提案を行っていくために、2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015)という日本のCSO(市民社会組織=NGO、大学、協働組合などさまざまな組織を含みます)のネットワークができました。
このネットワークの運営に関わるメンバーは、準備会合で海外へ出かけていく中で、様々な国の人たちと出会いました。バンコクで開かれたアジア地域の準備会合では、福島のNPOや大学のメンバーも数名が参加しました。メンバーたちが、福島の原発事故のことやその後の状況について話をすると、よく返ってくる言葉がありました。
「福島の大変さはよくわかった。でも、じゃあこれから私たちはどうしたらいいの?」
言葉の主には、原発をもつ国の人も、これから原発を導入する計画がある国の人もいました。
この声に応えるためには、福島の「事例」を伝えるだけでなく、海外の人たちが自分の国の事情と重ねあわせて考えるための「教訓」を何らかの形でまとめ、伝える必要があるのではないか──そこから、福島の教訓をまとめたブックレットを作ろう、という話が持ち上がりました。
JCC2015の共同事務局をつとめる4団体(ふくしま地球市民発伝所、国際協力NGOセンター、ピースボート、CWS Japan)の有志による「福島ブックレット刊行委員会」ができ、たくさんの福島の人びとや、福島に関わる人々の協力を得ながら、最初の一歩として複数の言語で作成したブックレットが『福島10の教訓 原発災害から人々を守るために』です。
また、国連防災世界会議に先立ち、このブックレットのお披露目を兼ねて、3月12日~13日に『市民が伝える福島 世界会議』を福島県文化センターで開催することになりました。
この会議では、約20名の海外ゲストを招き、福島の人たちと交流してもらい、福島の教訓を市民としてどう世界に伝え、さらなる災禍を防いでいくかをともに話し合います。この会議の実行委員会メンバーは「福島ブックレット刊行委員会」と一部重なっています。
このウェブサイトでは、ブックレット『福島10の教訓 原発災害から人びとを守るために』と、『市民が伝える福島 世界会議』のお知らせを皮切りに、今後も福島第一原発事故の教訓を世界へ伝えていくための様々な動きをお知らせしていきます。
来年度以降は、ブックレットをさらに多くの言葉に翻訳して広めていきたいと考えています。

「ふくしまから世界へ」は、福島原発事故の教訓を世界へ伝えるためのプロジェクトです。2015年3月に仙台にて開催される「国連防災世界会議」では、世界中の災害や防災の専門家が一同に集い、国を越えた協力体制について話し合います …