2017年11月15日~16日にかけて、ドイツはボーフムにあるルール大学(Ruhr University)にて「Voices from East Asia: Civil Society Actors in Environmental Protection, Sustainable Development and Humanitarian Assistance Governance」という研究会が行われ、JCC-DRR事務局から堀内・小美野が参加してきました。ルール大学はドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州ボーフムにある州立大学で、1962年に発足、西ドイツでは第二次世界大戦後に開学した最初の大学です。東アジア研究にも力を入れており、日本学科も存在します。
本会合のユニークな点は、研究者・NGO双方が集まり、それぞれの研究や経験を共有しながら今後の議論を展開したことです。例えば中国の市民社会と環境問題の関係性について、また、東アジアの市民社会による国内問題・国際問題への関与の仕方や、それぞれの国における政治や歴史的周辺環境による影響などが議論されました。学術研究結果に基づきながら、中国・韓国・日本の実践例とも照らし合わせて議論を深める手法は非常にバランスが取れていて、双方に学びが多い時間となりました。
日本の事例からは、気候ネットワークによる気候変動枠組条約締約国会議(COP)やパリ合意に関するアドボカシーと国内世論の喚起の仕方、JANICによる東日本大震災での国際協力NGOが行った支援の評価とその後の動き、東日本大震災後のTOMODACHIイニシアチブの効果と今後の展望、そしてJCC-DRRの軌跡と戦略2020が取り上げられました。特にJCC-DRRが目指すアカデミアとNGOの更なる協力、そして仙台ダボス会議で提案するMIRAI(Multisector Initiative for Research, Action, and Impact)のような展望へは、多くの共感を頂きました。
「戦後最悪の人道危機」にある世界の現状を少しでも良くするために、一つ一つ学び合い、そしてセクターを超えた協力関係を築いていくことが重要だと思っています。日本国内ももちろんですが、海外の学術界とも今後とも積極的に関わりを深めていきたいと考えます。そしてJCC-DRRの戦略2020の実施を更に深化させていく所存です。
JCC-DRR事務局