市民のための仙台防災枠組 2015-2030

2015年3月に仙台で開催された第3回国連防災世界会議における採択文書「仙台防災枠組2015-2030」を、市民に分かりやすく解説する冊子「市民のための仙台防災枠組」を製作しました。
2015年9月に国連総会で採択された「私たちの世界の変革:持続可能な開発のための2030年アジェンダ」と並び、2030年までに世界が目指すべき方向を示した文書です。私たち、JCC-DRRは「仙台防災枠組2015-2030」の実施に、市民社会の視点から取り組みます。

【目次】
仙台防災枠組ってなに?
仙台防災枠組の要旨 
  第1章 序文
  第2章 望まれる成果と目指すべき目標
  第3章 仙台防災枠組の基本となる考え方(指導原則)
  第4章 わたしたちが優先すべき行動(優先行動)
  第5章 ステークホルダーの役割
  第6章 国際間での協力とパートナーシップ

子ども向け冊子「みんなの仙台防災枠組」

2015年3月、仙台市を中心に国連防災世界会議が開催され、「仙台防災枠組」が採択されました。この枠組では、子どもを含む災害弱者がおかれた状況をふまえ、世界各国が2030年までに取り組むべき防災・減災の課題が示されています。

また、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)でも、防災に関する目標が策定されています。目標11では、ぜい弱な立場に置かれた人々の保護に焦点をあてながら、災害による被災者数を大幅に減らすことなどがうたわれています。

災害から子どもたちを守るためには、子どもたち自身が自分にできることは何かを考え、意見を出し合い、主体的に防災の取り組みに参加することが大切です。チャイルド・ファンド・ジャパンは、「緊急時、防災における子どもの保護の能力強化」を優先課題の1つとして掲げ、防災の取り組みのなかでも子どもの権利が守られるための活動を行っています。

その一環として、「仙台防災枠組」を子ども向けに分かりやすく説明した冊子「みんなの仙台防災枠組」を他団体*と協力して制作しました。ゲームやパズルもあり、子どもたちが学校や家庭で楽しみながら防災について学ぶことができます。

この冊子は、”Sendai Framework for Disaster Risk Reduction for Children“(英語)を日本語版にしたものです。子どもたちが、「仙台防災枠組」について興味を持って理解が深められるよう、あらゆる国、異なる文化の子どもたちが見ても受け入れやすいイラストを採り入れています。

*国連国際防災戦略事務局(UNISDR)駐日事務所、国連児童基金(ユニセフ)、公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン

詳細は、ホームページにて、ご確認ください。
http://www.childfund.or.jp/blog/170214sfdrr/

災害ボランティア入門

リーダートレーニング(ピースボート災害ボランティアセンター)個人でできる災害への備え、災害支援に関する一般知識、被災地で注意すべきケガや病気、ボランティアに参加する心構えや持ち物などを学ぶことができる災害ボランティア入門をはじめ、防災・減災、避難所運営など多岐にわたる研修プログラムを提供しています。被災地での活動経験を持つ講師によるセミナー、企業や団体などからの依頼に合わせた講師の派遣も可能です。

詳細は、ホームページにて、ご確認ください。
https://pbv.or.jp/seminar/

ふくしまから世界へ

BookletCover_JPN「ふくしまから世界へ」は、福島第一原子力発電所事故の教訓を市民の目線から世界へ伝えるためのプロジェクトです。
このプロジェクトのひとつのきっかけは、2015年3月に仙台で開催される「第3回国連防災世界会議」です。この会議では世界中の災害や防災の専門家が一同に集い、国を越えた協力体制について話し合います。この会議に東日本大震災を経験した市民の声を反映させ、持続的で災害に強い社会づくりの提案を行っていくために、2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015)という日本のCSO(市民社会組織=NGO、大学、協働組合などさまざまな組織を含みます)のネットワークができました。
このネットワークの運営に関わるメンバーは、準備会合で海外へ出かけていく中で、様々な国の人たちと出会いました。バンコクで開かれたアジア地域の準備会合では、福島のNPOや大学のメンバーも数名が参加しました。メンバーたちが、福島の原発事故のことやその後の状況について話をすると、よく返ってくる言葉がありました。
「福島の大変さはよくわかった。でも、じゃあこれから私たちはどうしたらいいの?」
言葉の主には、原発をもつ国の人も、これから原発を導入する計画がある国の人もいました。
この声に応えるためには、福島の「事例」を伝えるだけでなく、海外の人たちが自分の国の事情と重ねあわせて考えるための「教訓」を何らかの形でまとめ、伝える必要があるのではないか──そこから、福島の教訓をまとめたブックレットを作ろう、という話が持ち上がりました。
JCC2015の共同事務局をつとめる4団体(ふくしま地球市民発伝所、国際協力NGOセンター、ピースボート、CWS Japan)の有志による「福島ブックレット刊行委員会」ができ、たくさんの福島の人びとや、福島に関わる人々の協力を得ながら、最初の一歩として複数の言語で作成したブックレットが『福島10の教訓 原発災害から人々を守るために』です。
また、国連防災世界会議に先立ち、このブックレットのお披露目を兼ねて、3月12日~13日に『市民が伝える福島 世界会議』を福島県文化センターで開催することになりました。
この会議では、約20名の海外ゲストを招き、福島の人たちと交流してもらい、福島の教訓を市民としてどう世界に伝え、さらなる災禍を防いでいくかをともに話し合います。この会議の実行委員会メンバーは「福島ブックレット刊行委員会」と一部重なっています。
このウェブサイトでは、ブックレット『福島10の教訓 原発災害から人びとを守るために』と、『市民が伝える福島 世界会議』のお知らせを皮切りに、今後も福島第一原発事故の教訓を世界へ伝えていくための様々な動きをお知らせしていきます。
来年度以降は、ブックレットをさらに多くの言葉に翻訳して広めていきたいと考えています。