世界人道サミットへのコミットメント を発表しました。

世界人道サミットへのコミットメント

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2016年4月30日

「防災・減災日本CSOネットワーク(JCC-DRR)」は、2015年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議に向けて活動した「2015防災世界会議日本CSOネットワーク(JCC2015)」の成果と課題を引き継ぎ、2015年10月に設立された。本ネットワークは、「災害に強い社会づくり」に向け、以下を目的とした活動を行っている。

  • 【政策提言】「仙台防災枠組2015-2030」および「持続可能な開発目標(SDGs)」の実施に寄与し、国内外における様々な災害関連の会議や政策・施策に市民の目線から貢献していくこと。
  • 【DRR主流化】多様なセクターおよび分野で活動するCSO(NPOやNGOなど市民社会組織)の相互交流を図り、各セクターにおける「DRR(災害リスク軽減)の主流化」を実践すること。
  • 【東日本大震災などからの課題や教訓の発信】東日本大震災や福島原発事故などの災害が引き起こしている諸問題やそこから学んで共有すべき教訓について、被災者の視点を考慮しながら国内外に発信し、特に、世界の原発災害への備えを強化すること。

JCC-DRRは加盟団体の多様性を強みとして活かしながら、防災主流化課題別グループとして、福島ブックレット刊行小委員会、ジェンダー・多様性と災害小委員会、仙台防災枠組普及冊子作成小委員会、グリーンインフラ小委員会、アドボカシー小委員会の5グループが発足し、活動を開始している。福島ブックレット刊行小委員会では、原発災害の教訓を世界的に共有するためのブックレット「福島10の教訓」を現在までに14言語で発行した。仙台防災枠組普及冊子作成小委員会では、仙台防災枠組の普及のために「市民のための仙台防災枠組」(日本語)を2016年3月に発行した。

2016年5月にトルコで開催される国連「世界人道サミット(WHS)」は、第二次世界大戦後最悪と言われている現在の人道危機に警鐘を鳴らすため、国連事務総長がWHSに向けて掲げる「Agenda for Humanity」は、既存の人道支援システムが世界的に変わるべきとの認識から打ち出されたものである。5つの中核的諸責任(Core Responsibilities)からなる「人道の課題(Agenda for Humanity)」に対し、日本の市民による防災・減災ネットワークであるJCC-DRRは、特に中核的責任(Core Responsibility)3、4、及び5に関連し、以下のコミットメントを表明する。

Core Responsibility 3: 誰も取り残さない(Leave No One Behind)

  • 課題別小委員会活動を通じ、社会的・身体的等の理由から生じる災害リスクへの脆弱性を深く理解しながら、焦点の当たらないニーズを明らかにし、今後の災害リスク削減活動につなげる。
  • 日本の経験から、災害リスク削減(災害に強いレジリエントな国・コミュニティの構築)には女性及び脆弱性をもった多様な当事者が意思決定に参画することの重要性を認識し、誰もが取り残されることのないよう平時からジェンダー平等と多様性の尊重への意識向上と環境整備を図る。
  • JCC-DRRのマルチ・セクター、マルチ・ジェネレーションの活動を通じ、若者のリーダーシップをより積極的に育成する。

Core Responsibility 4: 人びとの生活を改善する-援助の提供からニーズの終わりへ(Change People’s Lives – From Delivering Aid to Ending Need)

  • セクターを超えた協働体制を更に強化させ、未解決の諸問題に対してソリューションを提示するイノベーション推進活動を強化する。
  • 災害リスク削減という切り口で、緊急支援や開発の溝を埋める問題解決のフレームワークを用い、参加団体の多様性を活かした市民啓発も含め、今まで支援に関わってきていないセクターや関係者をも積極的に巻き込む。

Core Responsibility 5: 人道への投資(Invest in Humanity)

  • 人間および自然に対する災害リスクの理解を更に推進し、仙台防災枠組のモニタリングへの積極的な関与も含め、社会全体としてのリスク削減へ活動及び提言を強化する。
  • ブックレット「福島10の教訓」などを通じて、複合的なリスクへの理解及びリスク削減活動を世界的に広める活動を強化する。
  • 人道・災害リスク削減へのソリューションを導くイノベーション推進活動を更に発展させる為にも、関係者と連携しながらファイナンススキームを作り上げる。

本件に関するお問い合わせ先

防災・減災日本CSOネットワーク(JCC-DRR)
事務局長:堀内 TEL:03-5292-2911 FAX:03-5292-2912
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18アバコビル 5F 国際協力NGOセンター内
Facebook:http://facebook.com/JCCDRR/